研究概要 |
本年度は,サイバー空間と実空間の統合的検索を行うための基盤作りとして以下の研究を行った。 ・個人エージェントの開発:個人エージェントとは,各ユーザのコンピュータ上に常駐し,ユーザと対話したり,他のユーザへの接続を行ったりする機能を有するソフトウェアである。単に検索システムのユーザインターフェースとしてだけでなく,ユーザのランクとスケジュールに応じて接続要求を許すかどうか,また,不在の場合に他のエージェントに問い合わせを行うかなどの知的な判断を行えるように機能を設定することとした。本年度は,そのために必要な機能の設計と,実現するための推論技術の検討を行った。 また,マルチモーダル情報を用いた自然なインターフェースを実現するため,各種センサからユーザの情報を読み取り,その内容に応じてユーザへの助言を動的に変更するための,助言生成機能を試作した。 ・検索エージェントの開発:検索エージェントは,ネットワークを介して、WWWのホームページ,あるいは,個人のプロファイル情報を用いて,ユーザの質問に答えるための情報を検索する機能を持つ。本年度は,その基盤として,ユーザ同士が音声およびTV画面で会話を行うための通信システムを構築した。具体的には,Linuxの環境下でワークステーションに接続したTVカメラとマイクから入力した画像と音声を高品質に保ちながら相手に送ることによって,マルチモーダルな対話が行えるモジュールを作成した。 また,個人のプロファイル情報を利用して実空間の検索を行うため,プロファイル情報の内容の分析と,プロファイル情報の獲得手段の分析を行い,プロファイル情報のデータ構造の設計を行った。
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