研究概要 |
平成12年度は,平成11年度の研究成果である遺伝的アルゴリズムを応用した文字生成モデルによって生成された文字パターンに関しての評価実験研究を進めるとともに,GUIベースの多様な文字パターンを生成するシステムの開発を行った. (a)文字認識システムの精度向上の可能性に関する実験評価: 文字認識システムをニューラルネットワークによって構築し,本手法によって生成・変形した文字パターンを学習データとして使うことで認識精度が向上するかどうかを検証・評価した.具体的には,3層のニューラルネットワークによるオフラインの文字パターン認識システムを構築し,ETLデータベースの文字を学習データとして用いたネットワークと,本研究で生成されたパターンを学習データとしたネットワークの認識精度を比較検討した.評価には,ETLデータベースから,学習データとは別に選んだ文字をテストデータとして,認識率を比較した.かな5文字の実験では,両者はほぼ同等か,若干,本研究で生成されたパターンを学習データとしたネットワークの認識率が低かった. 今後,この原因を調査し,本手法によって生成された文字パターンの利用の有効性を示す予定である. (b)GUIベースの多様な文字パターンを生成するシステム: 本年度は,本手法を利用するためのデータ設定や,生成されたデータを確認するための,GUIベースのシステム開発を行い,データ生成実験等が容易に行える環境を構築し,また,一般ユーザの利用も可能とした.
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