研究概要 |
平成13年度は,これまでの研究成果である書字運動モデルと遺伝的アルゴリズムを応用した文字生成モデルによって生成される多様な文字パターンの有効性を確認するために以下の研究を実施した.特に,文字認識手法の改良や認識辞書の補強のための学習データとして活用できるかどうかの確認を行った. 本手法によって生成した文字パターンによって構成した辞書あるいはトレーニングデータベースの有効性を検討するために,提案手法により作成した文字による辞書/トレーニングデータベースが,実際の人の手書き文字による辞書データベースの代替となることの確認を行った.確認には,Glucksmanの特徴抽出法により抽出した特徴を使用し,複合類似度法,線形識別法,Nearest Neighbor識別,ニューラルネットワークによる識別法の4つの識別法を使用した認識システムを構築し,認識実験を行うことによって評価した.実験には実際の手書き文字データベースであるETL9B, ETL6の文字と本手法によって生成した文字データベースを用いた.両データベースを使って構成したパターン認識システムの性能を, ETL9B, ETL6を共通のテストデータとして使用して比較した結果,ほぼ同程度の認識率を得ることができ,提案手法の有効性を確認できた.
|