研究概要 |
●方法の定式化と検証に関して 3次元画像における線状構造(血管,気管支など)/面状構造(軟骨,皮質など)の幅計測・方向計測の定量化の方法を提案し、幅計測の精度限界の理論的および実験的検証を行った。方法は以下のとおりである。3次元画像に対して、種々の解像度および方向をもつ3次元フィルタを適用することにより多チャネルの強調画像を計算し、これらの出力値を組み合わせることにより、3次元画像の各ボクセルにおいて、線状構造(血管,気管支など)/面状構造(軟骨,皮質など)/塊状構造(腫瘤など)などの局所構造特徴を識別し、抽出を行なう。さらに、抽出された構造特徴の局所方向情報を利用して、(血管)径の変化・(軟骨)厚の分布などの精密3次元画像計測を行なう。 本手法の計測精度に関して理論的な検討を加えた。特に、3次元画像の解像度が非等方的である場合の精度限界について詳しく考察し、理論的解析方法を確立し、その解析法を実画像での実験結果により検証した。さらに、胸部CT画像(気管支/血管)および股関節MR画像(軟骨)に対して、本手法を適用し、実画像に対する有効性を確認した。 ●医学応用に関して ・線状構造:胸部CT画像から、バイオメカニクス解析を用いた結節周辺の既存構造集束理論に基づき、血管の方向分布から肺癌の良性/悪性鑑別する方法を提案し、評価を行なった。 ・面状構造:股関節MR画像から、全自動で股軟骨のセグメンテーションと定量化を行う方法を確立し、評価を行なった。
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