キャラクタスポッテイング技術の開発においては、銀行看板を含む市街地情景画像を対象として、看板文字の切り出しとその認識手法について検討した。 文字切り出しでは、まず画素の隣接数から判断する動的な適応しきい値法を提案し、それに基づいて文字列領域と文字領域を抽出する。このとき、抽出精度の向上を図るためにハフ変換の手法を導入して、情景中の看板領域を抽出し、その内部領域に適応しきい値法を適用することによって、文字列領域の高精度抽出を達成した。また、抽出された文字列領域に対して、モルフォロジー演算を導入し、パターンスペクトル分析に基づくしきい値設定を行うことにより、忠実な文字領域の抽出を可能とした。これにより、日照条件などに左右されにくい、安定な文字切り出しを実現できる見通しが得られた。 文字認識では、文字ごとに形状特徴を学習していく自己想起型ニューラルネットワ-クを導入し、銀行看板などの文字列情報に適用して、その高精度認識の可能性を明らかにした。これにより、各々の文字種(カテゴリ)をオブジェクトとすることで、当初の目的であるオブジェクト指向型文字認識の実現に見通しを得た。 一方、知的行動ロボットへの実装においては、まず無線による遠隔制御が可能な自走式ロボットを研究室に導入し、システム制御の基本動作手法を確立するとともに、開発したキャラクタスポッテイング技術をインプリメントする方法と問題点について検討した。
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