研究概要 |
天井に設置したビデオカメラ(グローバルビジョン),ホストPC1台(リモートブレイン群,画像処理サーバ,、通信中継サーバ),ホストPCに内臓された画像処理専用ボード1枚,無線通信装置1台,ロボット本体5台から構成されるロボットシステムを完成させた.また,画像処理,通信,ロボット制御に必要なソフトウエアもC++やアセンブラ言語を用いて開発,完成させた.本ロボットシステムの評価のために,画像処理によるロボットの位置・姿勢認識実験とロボット本体の直進・旋回走行実験とを行った.これらのシステムの技術内容,評価実験結果等は,学会で発表するとともに,Web上においてもソースコードとともに公開している.来年度は,物体認識の処理速度を現在の毎秒5フレームから毎秒30フレームへ向上させ,ロボットの移動速度も現在の毎秒18cmから毎秒1m程度へ高速化させる予定である.また,画像認識とロボット走行との速度向上だけではなく,画像の歪み補正による認識精度の向上と,ソフトウエアカウンタを用いたモータ制御による両輪走行時の旋回半径の最小化とにより,走行と制御との正確性をも向上させる予定である.ロボット制御アルゴリズムに関しては,今年度は強化学習を用いた最適経路探索の計画アルゴリズムを考案した.本アルゴリズムは,ユーザまたは経路計画者の要求を経路に対する報酬の形で与えることにより,ユーザの選好を反映した経路・軌道を生成することを目的としている.このために,経路計画問題を離散最適化問題として定式化し,目的関数の最小化に帰着させる.この目的関数中の重み係数に関して,報酬の期待値を極大に自動調節するための学習則を導出することができた.さらに,シミュレーションにより本アルゴリズムの有効性を確認した.来年度は,複数台ロボットの経路計画の問題に応用する予定である.
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