本年度は、本研究裸題を行う最終年度として、前年度までに確立した知的原理である遺伝的プログラミング(GP)に、当初の目標であったカオス結合系を応用することによって、新しい理念に基づくカオティック移動ロボットのための知的原理を作り上げるとともに、これを実際に応用した自走ロボットを試作してその有用性を検討した。具体的には、ファジイ制御による障害物回避をより適切に行うことを目的として、ファジイ制御で重要な役割を担うメンバーシップ関数をGP手法に基づいて創成する方法を確立し、さらにこれに基づきカオス結合系によってGPのパラメータをチューニングする方法を検討した。そして、計算機シミュレーションおよび実機走行実験を行うことによってこの有用性について調べた。この結果、簡単な学習によってメンバーシップ関数が自動生成でき比較的良好な障害物回避が実現できる、カオス結合系によりGPの効率を上げることが実現できる、実機走行実験においても良好な結果を得ることができ実際のロボットに実装可能であることがわかった。
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