研究課題/領域番号 |
11680407
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
森 克己 福山大学, 工学部, 教授 (60200359)
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研究分担者 |
渡邊 栄治 福山大学, 工学部, 講師 (20220866)
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キーワード | 光環境認識 / 物体認識 / 協調処理 / 回転軸対称物体 / 楕円弧 / 階層型ニューラルネットワーク / 領域分割 / 色補正 |
研究概要 |
本研究の目的は、環境認識と物体認識の協調処理により、光環境が変化する既知の空間内で既知の物体を効果的に認識する処理手法を明らかにすることである。 本年度は以下の研究実績を得た。 1.環境認識処理:自然光(太陽光)および人工光(蛍光灯、卓上灯)によって光環境が変動するような室内情景を対象として、色情報を補正するための手法について検討した。ここでは、室内情景を補正する上で重要な場所の特定と色情報の変動を検出するためのモジュール構造型NNを導入し、実画像に対して本手法を適用した。その結果、朝方の画像から正午の画像(標準画像)への色補正および、夕方の画像からから正午の画像への色補正がある程度可能であることを確認した。 2.領域分割処理:色補正および物体認識をより的確に行なうために、対象画像の領域分割手法について検討した。ここでは、複数の階層型NNを導入することにより、領域分割時の誤差に関する偏差と分散のバランスを保つように、各領域の特徴に対応して複数の階層型NNを適応的に割り当てることが可能な手法を提案した。さらに、実画像に対する実験結果を基に、提案手法による妥当性を定量的および定性的な両面から評価した。 3.物体認識処理:環境条件で一部が隠蔽された回転軸対称物体の楕円輪郭線の認識法について検討した。特に、共役直径に着目した楕円弧の認識法として素片対二重照合法と弦の共役直径探索法を考案し、シミュレーションと実験により認識能力を評価した。その結果、標本点を用いる素片対二重照合法の適用範囲は比較的良好な光環境下に制限されることを、また、全輪郭画素の対称軸を見出す共役直径探索法は対称軸の周りの画素の分散が楕円弧の信頼性を精度良く与えることを確認した。このことから、悪環境下での楕円弧の認識法として、共役直径探索法の適用の可能性を得た。
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