研究計画の1、2、3番の項目はほぼ終了した。 1、2、3に関しては、録音した会話データの非言語的発現を、大量に、音響的・意味的・ファンクション的な情報をラベル化し、データ・ベースを作成し、現在分析中である。その結果を、「The Challenge of Non-lexical Speech Sounds」という題目でInternational Conference on Spoken Language Processingにて発表する予定だ。 また、非言語情報の応用および情報提供システムの研究・開発の結果、チャット用システムを二つ実装し公開した。その他に、従来会話システムで評価されていなかった「はい」 「うん」 「そう」 「そうそう」「<内容復唱>」などの同義な日本語確認応答あいづちをユーザの内部状態に応じて繊細に使い分けること(=レスポンシブネス)によって、音声対話システムの印象を向上させられるという仮説を立て、プロソディと文脈情報を用いて構成されたあいづち応答使い分けルールを実際のユーザとの会話実験において評価し、仮説を立証している。また、レスポンシブなシステムを構築手法として、コーパスと聴取実験の双方の利用による構築・評価を行い、コーパスのみによるルール構築・評価では不十分なことを示している。また、評価手法として聞き直し評価法を提案し、会話実験の評価において有効性を確認している。又、プロソディの重要性を確認した。
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