本年度は以下に示す研究計画・方法によって研究代表者が自律分散型情報処理システムを系統的に解析・設計するための理論的研究とその成果を実システムへ応用するための研究を行った。 (I)理論的検討:本研究では、自律分散システムをモデル化する方法として <A>従来からあるペトリネットの定義を変化させることなくペトリネットのトークンにネット構造を階層的に付加したモデル」と、上述の<A>とは異なり <B>「制御仕様をペトリネット構造で陽には表現せず、ネット構造を移動可能にした拡張ネットモデル」を用いる2つのアプローチによりシステムを系統的に解析・設計するための基礎理論として以下の研究を行っている。 (1)まず、システム全体の仕様をペトリネットで表し、そのペトリネットのトークンに各サブシステムに対するペトリネットを階層的に対応させるモデル化手法を提案した。次に、 (2)ネット理論を補充するためペトリネットのサブクラスの構造的性質について検討を行い、新しい代数的手法や構造的性質、可解性のクラスを導出した。 (II)プログラムパッケージの開発:上記理論的検討に基づいた自律分散型情報処理システム解析・設計用プログラムパッケージを開発ための環境整備を行った。 (III)研究成果:得られた結果を研究会、国際会議等で発表し、広く意見交換を行った。[11.研究発表参照]
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