研究概要 |
研究の目的 CORBAに代表される分散オブジェクト技術の普及は計算機システムの自律分散化を可能にした.このような環境を最適に利用できるような,複数の組織にまたがるワークフロー(以下,インターワークフロー)の記述モデルを解明し,そのモデルに基づくインターワークフロー支援システムを試作する. 平成11年度は次の2つを傾斜的に並行して進めた. (1)自律分散型インターワークフローモデルの開発 従来のインターワークフローは,組織間で仕事の依頼関係が固定した連携業務を対象としていた.これに対し,本研究では仕事の依頼関係を柔軟に変更可能な連携業務をも支援可能とすることを目指している.このため,従来のワークフローサーバ/クライアントが固定したモデルではなく,ワークフローを制御・調整するWorkflowCoordinator(以下 WfC),ワークフローの単位作業であるタスクを実行するWorkflowExecuter(以下 WfE),およびプロセス定義データを管理・配布するWorkflowDistributer(以下 WfD)からなるワークフローモデルを考案した.WfEはタスクを自身で実行するだけでなく,自身が下位階層のWfCとなり,新たにWfEを割り当ててタスクの実行をゆだねることもできる.その場合に,タスクを分解して,複数のWfEに割り当てることも可能である.このようなワークフロープロセスのダイナミックな変更のために,WfEはWfDからプロセス定義データを入手して修正した上で,WfCとなる.また,このプロセス定義データをXML形式で記述する定義言語を開発した. (2)自律分散型インターワークフロー支援システムの設計 上記モデルに基づいて,自律分散型インターワークフロー支援システムの設計を行った.本システムはJavaを用いてMicrosoftWindowsNTパソコン上で設計した.
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