分散環境でマルチメディアデータベースを処理するためには、分散環境の構築、Webサーバ、データベースサーバの立ち上げ、それらの利用のための支援環境の整備がある。まず、本年度は4月に設備されたKSU Linux クラスタのさまざまな環境整備を行った。本クラスタは最大508台のパソコン(CPU:P400、メモリ:100MB、ディスク2GB)とクラスタソフトウェア(Turbo Linux3.0+PVM3.3)で構成する。これらにクラスタマシンとしてのインストールを行なった。また、支援環境の整備のため、PVMへの負荷分散と効率評価のために、いくつかのベンチマークを設定し、それらを検討した。 分散処理で高い性能が望める例として、素数の計算、メモリ上の全文検索、ネットワークによるデータの分配と収集機能の詳しい性能評価を行った。その結果、CPUの能力とメモリのアクセスタイムの比が分散処理に大きく影響することが判明した。 さらに、マルチメディアコンテンツをネットワーク上で統合して提供するSMIL言語に関して、このコンテンツをネットワーク上で分散編集できるシステムを設計した。そして、Linuxで稼動するDB/2関係データベースを用いて初期プロトタイプを試作した。 これらの処理の一部はWebで公開し、さまざまな環境で動作するように、実験を続けるとともに、一般利用者からデモできるようになっている。
|