研究課題/領域番号 |
11680429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報システム学(含情報図書館学)
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研究機関 | 西南学院大学 (2000-2001) 福岡工業大学 (1999) |
研究代表者 |
史 一華 西南学院大学, 商学部, 教授 (90249623)
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研究分担者 |
徐 海燕 福岡工業大学, 情報工学部, 助教授 (80226373)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | ワークフロー / 並行実行 / 正当性基準 / トランザクション / 一貫性制約 / 移動オブジェクト / XML / WEBシステム |
研究概要 |
ワークフローに基づくマルチバージョンデータベースの並行処理制御の研究では、ワークフローというグラフ形式で表される作業手順を、データベースが一貫するための統一的な判断基準と見なし、マルチバージョンデータベースの一貫性管理のための形式的な定義を与えた。この一貫性情報を利用することによって、並行実行の一貫性の管理は、各々の処理単位の変更結果の一貫性と検索結果の一貫性として形式的に表現できた。変更結果の一貫性は、各々の変更操作を一貫性情報の活用によって能動的にワークフローに従う変更操作に変換することよって保証できる。 並行処理制御では、検索結果と変更結果の一貫性は、効率的な判定方法を与えた。これによってマルチバージョンデータベースにおいては、処理単位を後退復帰させることなく、検索結果の一貫性を保証できる。さらに、ワークフローで表される一貫性情報の利用は、最新のバージョンを利用したいというような協同作業の立場からの要求に対応するためにも役立つ。 トランザクショナルワークフローの並行処理制御の正当性基準については、反復処理も表現できるワークフローモデルを定義した上、ワークフロー内の作業の流れを表す制御フローに対して、表現式による記述方法を導入した。それによって、ワークフローに従う実行は簡単に記述できるようになった。また、'単独実行されるトランザクション中のデータが満たされる性質を分析し、並行実行の正当性基準を提案した。 さらに、データベースの処理単位モデルをCADシステムに導入し、プロトタイプシステムを構築した上、その検証を行った。ここでは、CADデータをマルチバージョンデータベースで記憶すると同時に、CAD設計の作業手順(ワークフロー)をデータベースの一貫性制約として定義し、これによるCAD設計の協同作業を制御している。 デジタルライブラリにおける協同作業環境については、利用者の多種多様なニーズと協同作業の要求に対応するため、統合学習管理システムの設計と構築にXML関連技術を導入し、XML技術を活用したコンテンツの統合と複数のシステム間の協調作業・利用の可能性を検討し、協同教材開発・相互学習などの協同作業を管理するためのWEB型協同学習システムも開発した。開発されたシステムは、実際の教育現場で実際に利用されている。 移動オブジェクト間の協同作業に関する研究の面では、基本的な要素によるムービングポイントのモデル化について検討し、ベクトル空間と微分幾何を利用したモデルを提案した。ベクトル空間、速度ベクトルと加速度ベクトルによって、移動オブジェクト間の距離、相対移動方向、距離の変化、相対速度の変化率などの各種の関連を、直接に表現できることになった。
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