研究概要 |
<"Voice on Demand"システムの構築> 先年の研究成果に基づきシステム構築を行い、実際に試用を行った。 (1)録音図書メディア作成システム:基本的な録音は著作権法に基づき、ボランティアに依頼してMDで録音、その後パソコンに取り込みを行うシステムを構築した。MDは原音の劣化が少なく、点字図書館で主流になるものと思われる。(2)録音図書提供サーバ:"Voice on Demand"の最大の特徴は、同時(リアルタイム)に多人数で電子録音図書を利用することにある。サーバは、超高速のネットワーク(GigaBit対応)に対応できうる機種、ストリーミング配信が可能なネットワーク専用OS、電子録音図書の高圧縮化の3点を重視して構築された。(3)録音図書複製装置:パソコンを利用せずオフラインで電子録音図書を利用する方法としてCD-R,DVD-Rなどで提供するためのシステムを開発した。 <通信実験>三重県点字図書館の協力を得て、インターネットを介した電子録音図書の配信実験を実施した。点字図書館側の通信回線がISDN回線のため、長時間の録音に対して音切れなどの問題が生じることが判明し、インターネット上で展開するには、ある程度の大きさの通信回線と、電子録音図書データの大きさが今後の検討課題である。 <電子録音図書再生端末のシステム化>安価な普及型のパソコン端末で、視覚障害者が画面読み合成音声を利用しつつ、電子録音図書が再生可能なように合成音声が安定に動作するよう、サウンドボードを大幅に見直し多くの工夫を施した。技術的な問題からサウンドボードの一部を改造し、視覚障害補償としての画面読み合成音声ソフトウェアの安定性を重視すると、電子録音図書の出力が不安定となるため、端末のOSも考慮せざるを得ない状況となっている。
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