ディスクリプタシステムにおける非協力動的ナッシュ(Nash)ゲーム問題に関する研究は、また、初期段階にある。動的ナッシュゲームの特別な場合が研究されたが、一般的な問題に対して線形閉ループナッシュ均衡解が唯一でないことが確認された。実用性を保つために均衡解の一意性が必要である。本研究では、ナッシュ均衡条件以外、実用的に意味のある条件を見つけて、線形閉ループナッシュ均衡解のうち、新たな付加条件を満足するような線形閉ループナッシュ均衡解を求める問題を研究している。これはいわゆる実用的に意味のある均衡解だけを残そうとする精緻化(refinement)問題である。いま現在、数値シミュレーション数値シミュレーションによって各種の線形閉ループナッシュ均衡解の特徴を調べている。 応用研究について、いま、コンビニエンス・ストアの本部と加盟店との間にトラブルが多発している。主な問題点は本部が加盟店からロイヤリティを取る方式に関するものである。本研究では、動的シュタッケルベルグ(Stackelberg)ゲームの枠組みでこの問題を取り扱っている。
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