研究概要 |
今年度は,以下の課題(a)〜(d)に関して互いに連携をとりながら研究を行った.特に,(c)および(d)では,来年度につながる重要な成果を得た. (a)ソフトウェアSDPAの改良およびライブラリ化の推進. 逐次半正定値計画緩和の中でSDPAを用いるために,ライブラリ化を押し進めてSDPAのより細部をユーザがコントロールできるようにした. (b)SDPAへの共役勾配法の実装にともなう前処理行列の研究. 逐次半正定値計画緩和の各反復で生成される大規模な半正定値計画問題をSDPAで解く際の大規模な密行列を係数行列にもつ線形方程式系に対する共役勾配法の実装にともなう前処理行列の研究を行った. (c)逐次半正定値計画緩和の基本的な性質を調べるための予備的な計算実験. 非凸型2次計画問題の特殊構造を取り込んだ工夫を逐次半正定値計画緩和に組み込み,予備実験を行いその有効性を検証した. (d)逐次半正定値計画緩和の並列計算のための予備実験. 逐次半正定値計画緩和の各反復で生成される半正定値計画問題を並列して解く予備実験を行った. 予備実験では最大32台の計算機を並列に稼動し,最大20倍の高速化を確認した.
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