研究概要 |
階層的最適化問題の解の最適性の定義および双対性理論の誘導に向けて以下の事項について知見を得た. 1.下位レベルのパラメトリック最適解が唯一とはかぎらない場合の最適性の定義.これは,本研究代表者が過去において提案しているものの拡張であり,「悲観的な意思決定者」の場合と「楽観的な意思決定者」の2種類の意思決定の場における解の定義を与えるものである. 2.具体的な事例として,生産ラインシステムにおける最適サービス容量配分問題が階層的最適化問題(ある種のネットワークの最長経路最短化問題)として定式化できることを示し,小規模の問題に対してではあるが実際に解を得た. 最適性条件および双対性の基礎となる非凸不等式系の可解性については,過去の本研究者らによる正斉次関数による不等式系に対するもの若干の拡張を試みているが,現在のところ一般の階層的最適化問題に適用するまでには至っていない.引き続き研究を進める予定である. また,理論的解析および数値解法の枠組みとして,下位レベルの問題に対し内点法を適用し近似する方法について今後検討する予定である.
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