研究概要 |
本研究の成果は以下の2種類に大別される. 1 階層的最適化問題の特殊な場合の問題である最大化操作を含む最適化問題として定式化される生産システムの最適設計問題の解法 2 階層的最適化問題の双対性理論の構築へ向けた理論的成果 1は確率的変動を伴う種々の生産システムにおいて,生産効率を最大にするようなシステム設計を求める問題が制約条件に最大化操作を含むような一種の階層的最適化問題として定式化できることを示し,その数値解法を構築したものである. 設計変数がバッファ配分量やかんばん枚数等の離散量か,あるいは加工能力のような連続量かに応じて解法は本質的に異なるが,離散最適化に関しては,主として遺伝的アルゴリズムを用い,連続最適化に関しては二次錐計画法による解法を提案した. また,2の理論解析に関しては,(1)解レベルの最適解集合が唯一でない場合における階層的最適化問題の最適解の定義(2)階層的最適化問題の最適解の特徴付けに関する一般理論(3)階層的最適化問題の(凸関数の共役関数を用いた)双対表現 等を得ている.特に,階層的最適化問題の双対表現は,DC(Difference Convex)関数による不等式系に対するFarkas型の定理を利用したものであり,本研究の理論的成果の中心となるものである
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