研究分担者 |
海生 直人 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (80148741)
廣光 清次郎 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (90043827)
児玉 正憲 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (20028989)
米田 邦彦 広島修道大学短期大学部, 助教授 (10201865)
藤田 楯彦 広島修道大学, 短期大学部, 教授 (50105649)
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研究概要 |
今年度は、第2段階として制約なし多目的非線形最適化問題(MOP)に対して、全Pareto最適解の近似集合を求める手法「Vector Simplex法」を提案し、その有効性について検証した。MOPでは目的関数の値の間に半順序関係しか保証できない。そのため、MOPでは問題を単一目的化し関数値に全順序関係を保証し、単一目的最適化手法を用いて最適解を求めるのが普通である。しかし、本研究では半順序のみを利用したMOPのための最適化手法である「Vector Simplex法」を提案した。この他に、ファジィ推論規則の学習で規則が対応しない空白域の出現を回避する方法として、メンバーシップ関数を対象領域に格子的に配置しそれらの分割点、形状パラメータ、後件部実数値の調整を行う、空白域のない推論規則の学習方法を実現した。また、退化現象を考慮した遺伝的アルゴリズムGA^dを提案し、ニューラルネットワークの構造最適化への有効性について検討した。 1.ベクトルシンプレックス法の提案:単一目的問題に変換せずにパレート最適解の全体集合の近似集合を求める最適化手法であることを示すとともに、代表的スカラー化手法「加重平均法」と比較して、非常に高速に近似集合が得られ、各目的関数の尺度に結果が全く影響を受けない手法であることを示した。 2.ファジィ推論規則の調整:対象領域に格子状に前件部メンバシップ関数配し,推論ルールにおいて後件部実数値,分割点,形状パラメータを学習するデルタ則を導出した。 3.退化を伴う遺伝的アルゴリズムGA^dを提案:損傷遺伝子を利用し,完全に損傷した遺伝子は削除されたとみなすことにより,有効性の低い遺伝子を削減するGA^dを提案し、ニューラルネットワークにおけるパラメータ構造を最適化する汎用的な方法であることを示した.
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