研究課題/領域番号 |
11680462
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
高濱 節子 広島修道大学, 商学部, 教授 (60186989)
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研究分担者 |
海生 直人 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (80148741)
廣光 清次郎 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (90043827)
児玉 正憲 広島修道大学, 経済科学部, 教授 (20028989)
米田 邦彦 広島修道大学, 商学部, 助教授 (10201865)
藤田 楯彦 広島修道大学, 短期大学部, 教授 (50105649)
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キーワード | 非線形最適化手法 / 多目的最適化問題 / Vector Simplex法 / Pareto最適解 / 対話的最適化 / チームモデル / 構造最適化 / MGGA |
研究概要 |
今年度は、第3段階として昨年度提案した多目的非線形最適化問題(MOP)に対する最適化手法「Vector Simplex」法の改良を先ず行った。昨年度の段階で明らかになっていたVector Simplex法の問題点としては、(1)Pareto最適解集合の全域に渡り一様に近似解を探索できず、解の分布に偏りが出る点と、(2)真のPareto最適解集合への収束が甘い点が上げられていた。そこで、問題点(1)を解決するために、探索空間を分割し、各部分空間にVector Simplex法を適用するという操作を繰り返すことにより、近似解の偏りを押さえることに成功した。問題点(2)については、先ず、粗く得られたPareto最適解の近似集合を用いて、意思決定者が得られた近似解を大局的に比較し、対話的に近似解を選択し、選択された近似解に対応する厳密なPareto最適解を求める「対話的最適化」プロセスを導入することにより対応した。この他に、一昨年提案した最適化手法「チームモデル」に関する更なる検討を行い、組織内における能力が最良な個人による教育のモデル化(taught-by-the-best)を提案した。また、問題のモデル構造そのものの最適化を目指した「変位遺伝子を導入した遺伝的アルゴリズム(MGGA)」を提案した。 1.Vector Simplex法の改良:探索空間の分割を行い、各部分空間に探索点を発生させ局所的な近似集合を求め、全体の一様性を確保した。最終解の精度を上げるために、意思決定者との対話的操作を付加した。 2.チームモデルの再検討:組織内の能力が最良な個人による教育をモデル化し、その有効性を検証した。 3.MGGAの提案:問題をモデル化し最適化する場合、そのモデル構造そのものが適正であるか否かは、非常に重要な問題である。そこで、モデルの構造最適化を行う最適化手法として、変異遺伝子を導入した遺伝的アルゴリズムを提案し、その有効性を示した。 最後に、本年度の目標とした制約付き非線形最適化問題に対する最適化手法の提案については、未解決のままとなり、今後の研究課題となった。
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