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2001 年度 実績報告書

火山体土壌空隙を介しての火山ガスと大気の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 11680470
研究機関京都大学

研究代表者

大沢 信二  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30243009)

研究分担者 由佐 悠紀  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025403)
キーワード火山ガス / 大気 / 土壌 / 不活性ガス組成 / 噴気流量 / 水素・酸素同位体 / 物理モデル
研究概要

本研究では,大気が土壌空隙を通して火山ガスに流入していることを問題提起し,さらにその物理的メカニズムを明らかにすることを目的としている.本年度は,〔1〕前年度までの観測においてデータが得られていなかった,九重硫黄山の1995年噴火口周辺域で新たに数点の試料採取およびデータ取得を行い,〔2〕地下における物理モデルの構築を行った.
〔1〕今回新たに得られたデータも,前年度までのデータと同様の傾向を示した.即ち,流量の多い噴気ほど,大気成分の混入率に敏感に応答するHe/Ar比が小さくなる(大気成分の混入率が高い)傾向をもつことが判明した.
〔2〕本研究で得られたデータから支持されるような大気流入が実際に生じるためには,火山ガスの上昇過程において,どのようなメカニズムが必要であるかを検討するために物理モデルを考察した.実際の火山ガスは,地中の礫などが積みかさなったような複雑な地下構造の中を上昇してくると考えられるが,簡単のため壁面が多孔質の材質で作られた円管内(擬似ガス流路)をガスが移動するような場合を考えた.このような擬似ガス流路モデルにおいて,レイノルズ数が高い(この場合流速が大きいと考えてよい)流れでは,境界層理論を適応させれば流体剥離域において吸い込みが起こることは流体力学的に確認されており,モデルで考えたような物理状態が火山ガスの上昇経路中に存在していれば,大気流入が生じることが示唆された.現在,このモデルを用いたシミュレーションを行っている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Shinji Ohsawa 他3名: "Entrainment of atmospheric air into the volcanic system during the 1995 phreatic eruption of Kuju volcano, Japan"Journal of Volcanology and Geo thermal Research. 96. 33-43 (2000)

  • [文献書誌] 大沢信二: "噴気ガスの化学・同位体組成から見た別府温泉の地熱流体の起源及び性状"大分県温泉調査研究会報告. 51. 19-28 (2000)

  • [文献書誌] 大沢信二 他2名: "噴気ガスの化学組成から得られる箱根火山の地熱情報"温泉科学. 49・4. 151-161 (2000)

  • [文献書誌] Shinji Ohsawa 他1名: "High S^<13>C Fumarolic CO_2 Discharged from Ogasaara-Iwojima, an Active Volcanic Island in the Izu-Bonin Arc"Journal of Geothermal Research Society of Japan. 23・3. 197-205 (2001)

  • [文献書誌] 網田和宏, 大沢信二: "噴気ガス採取用改良注射器法"九大地熱・火山研究報告. 10. 158-167 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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