研究課題/領域番号 |
11680473
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
鈴木 崇伸 東洋大学, 工学部, 助教授 (50256773)
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研究分担者 |
松下 吉男 東洋大学, 工学部, 助教授 (10096745)
伯野 元彦 東洋大学, 工学部, 教授 (10016321)
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キーワード | 住宅倒壊検知 / 電話線の被害 / 被害集中地域 / 初期救援体制 |
研究概要 |
電話ネットワークを用いた住宅倒壊検知に向けて、基礎データの収集と分析ならびに実験準備を行った。研究開始に先立って東京の住宅密集地について現地踏査を行ったが、狭い道路に沿って寄り添うようにたつ木造住宅は兵庫県南部地震に被災地とほぼ同じ条件であり、また車両の通行が困難な地区もあった。いずれの地区においても電話線は密集して引き込まれており、住宅が大きく傾けば、電話線が切れることが理解できた。基礎データの収集は兵庫県南部地震に注目して、NTT西日本、(社団法人)電信電話工事協会などでヒアリングをおこなった。震災から5年を経過しており、具体的な被害データは一部しか入手できていないが、住宅被害集中地域では電話の復旧が相当困難であったとの話である。また兵庫県南部地震に加えて1999.6広島水害のデータも依頼中であり、電話線被害と住宅被害の関係について、対象とする災害を広めて収集・整理する計画である。実験に関しては、現地踏査結果から標準的な電話線引き込み部(電柱から住宅までをつなぐ部分)をモデル化して、実験計画をたて予備事件を行った。引き込みワイヤや固定金具は予想以上に強いことがわかったが、変位計測も含めた本実験をH12年度早々から行う予定でいる。今後の研究計画はメカニズムの明確化とシステム面での検証であるが、NTT研究所の協力も要請して実用化をめざしたい。 また被害の集中地域は日本だけの現象ではなく海外でも同様であり、H11年度にはトルコ、アテネ、台湾の地震の被害の現地調査を行った。トルコ、台湾においては集合住宅被害が大きく、木造住宅の密集度合いも日本ほどではないため、倒壊検知に電話線を用いるアイデアは日本で特に有効である印象を受けた。
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