研究課題/領域番号 |
11680473
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
鈴木 崇伸 東洋大学, 工学部, 助教授 (50256773)
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研究分担者 |
松下 吉男 東洋大学, 工学部, 助教授 (10096745)
伯野 元彦 東洋大学, 工学部, 教授 (10016321)
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キーワード | 電話引き込み部の破断実験 / 防災情報システム / 異常監視サービス / 災害情報収集 |
研究概要 |
今年度は、電話線引き込み部の破断実験を行い、電話線と住宅の大変形の関係を明確にしている。電話線引き込み部はかなり変形余裕があり、地震による住宅の揺れでは破断しないことが確認された。これは経験的事実にも符合する。電話線が破断するのは1m以上引き伸ばされた場合であり、住宅には大きな傾斜が発生する状態である。引込み線の破断はおよそ住宅の全壊状態に相当することが確認できた。 また、NTTの協力も得て、電話線の診断システムについて情報をいただいた。だが、住宅まで光ケーブルに変更する計画が進んでおり、48Vの弱電流を通信ビルから供給して検査する方式が変わる予定であり、新しい検査システムは研究中であるとのことであった。 阪神地震の反省とIT化推進という追い風を受けて、いろいろな防災情報システムづくりが進められている。調査をしたところ、多くのシステムがはいってくる情報をデータベース化し、共有するというコンセプトであった。衛星写真などから被災情報を収集し加工する部分の研究も進んでいるが、災害時の情報収集は重要な課題であることが認識された。 近年、携帯電話の普及率の伸びが著しく、固定電話の加入者数が減少傾向にある。また電話サービスを提供する会社も複数であり、家庭までのネットワークも大きな変動要素がある。電話線を用いた住宅倒壊検知は、各家には必ず固定電話があり、1社が系統的に全世帯を監視しているというアイデアにもとづいている。社会システムの大きな変化にあわせて、異常があった場合には、警察、消防に連絡がはいるというオフラインサービスの可能性まで含めて、検討する必要がある。
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