研究課題/領域番号 |
11680479
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安藤 利得 金沢大学, 理学部, 助教授 (80212679)
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研究分担者 |
鎌田 啓一 金沢大学, 理学部, 助教授 (90143875)
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キーワード | ラングミュア乱流 / 微細構造 / キャビトン / 電子ビームプローブ / 大強度相対論的電子ビーム / IREB / 自己組織化 |
研究概要 |
プラズマ中に強い乱流電場を発生するのに高いエネルギー密度を持つ相対論的電子ビーム(IREB)は適している。プラズマが乱流状態になると、内部にはキャビトンと呼ばれる波束が多数できていると理論的には考えられている。しかしながら、実験でキャビトンを測定した例は少なく、その3次元的な構造を明確に捕らえた例はなかった。当研究では電子ビームプローブを用いてキャビトン電場の測定をする事を目的とする。これはプローブビームの偏向角度から内部の電場を予想するものであるが、以前はこの目的のために細く平行なプローブビームを用いていた。これによって偏向角の大きさや偏向形態を測定しているが、キャビトン電場以外の原因により偏向が生じた可能性も考えられた。そのため偏向の空間分布の様子を知る必要があった。 そこで以下のような点について改善を図った。まずプローブビームを発散させることで大口径にした。しかしながら大口径ビームでは電流密度の低くなり、測定が困難となった。そのため測定系にイメージインテンシファイヤと呼ばれる光の増幅器を設置する事によってS/Nを向上した。これにより画像が鮮明になり信頼性が向上している。また、一方で電源などに全面的な改良を施したために数10ナノ秒の精度で時間の制御が行なえるようになっている。このような改善の上に電場の空間分布の測定を行なうことができた。その結果得られた偏向像の多くが特有な網目の構造を持つことが分かった。これは乱流プラズマの内部には複雑な電場の空間分布があることを反映していると考えられる。今後詳しい解析をしてさらに検討しなければならないが、プラズマの乱流を理解する上で重要なデータを得ることができた。また、偏向角から電場の大きさを算出するために空間的な情報が使える可能性があり、今後の測定の発展を残している。
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