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2000 年度 実績報告書

プルーム中イオン制御型パルスレーザ堆積法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11680489
研究機関熊本大学

研究代表者

池上 知顯  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20136518)

キーワードパルスレーザ堆積法 / イオンインプランテーション / DLC / レーザ誘起蛍光法 / 2D-LIF / C_2 / C_3
研究概要

KrFエキシマレーザを用いたパルスレーザ堆積(PLD)法により,真空中でグラファイトをアブレートし,シリコン及びガラス基板上にDLC薄膜を堆積させた。その際に,基板ホルダーにパルス幅20μs,電圧-0.5kV〜-3kVの負のパルス電圧をレーザと同期して印加することにより,プラズマプルーム中のイオン種を基板へ加速した。堆積したDLC膜への印加パルス電圧の影響を,膜の光学バンドギャップ,FTIR,ナノインデンテーション,AFMを用いて調べた。同時にカーボンプラズマプルーム中のC_2分子及びC_3分子密度分布測定を二次元レーザ誘起蛍光法により計測した。
-0.5kVのパルス電圧の印加により,膜の光学バンドギャップは1.0eVから1.3eVへ増加し,-3kVを印加した場合は逆に0.8eVに減少した。FTIR測定の結果,印加パルス電圧が大きいほど,sp^3C結合(1160cm^<-1>)による吸収が大きくなった。ナノインデンテーションによる膜の微小硬度測定の結果,-0.5kVのパルス電圧を印加した結果,印加なしの場合よりも10倍以上の硬度を示した。一方-1kV以上の電圧を印加した場合,硬度は5倍程度にとどまった。AFMによる表面形状測定の結果,パルス電圧の印加により自乗平均表面粗さが小さい,より平滑な膜が堆積された。
LIFによるC_2及びC_3分子密度分布の測定の結果,C_2,C_3の運動エネルギーは小さく,アブレーション後,ターゲット表面近傍に数μs後まで存在することがわかった。生成されるC_2分子数は入射レーザエネルギーフルエンスの増加や,印加電圧の増加により減少した。一方,これらのC_3分子数への影響はみられなかった。PLDによるDLC成膜において-0.5kVのパルス電圧印加は,堆積膜の透過率,表面の平滑さ,膜硬度などの改善に有効であることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Ikegami,T.Ohshima,M.Nakao,S.Aoqui,K.Ebihara: "Impression of High Voltage Pulses on Substrate in Pulsed Laser Deposition"Journal of Vacuum Science and Technology (JVST). (発表予定). (2001)

  • [文献書誌] T.Ikegami,S.Ishibashi,Y.Yamagata,K.Ebihara,R.K.Thareja,J.Narayan: "Spatial Distribution of Carbon Species in Laser Ablation of Graphite Target"Journal of Vacuum Science and Technology (JVST). (発表予定). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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