研究課題/領域番号 |
11680493
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
渡邊 國彦 核融合科学研究所, 計算センター, 教授 (40220876)
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研究分担者 |
渡邊 智彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (30260053)
高丸 尚教 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (20241234)
石黒 静児 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (10193301)
田村 祐一 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (50311212)
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キーワード | ダストプラズマ / 自己組織化 / シミュレーション / 秩序構造 / 帯電過程 / 結晶化 / 微粒子 / フリップフロップ |
研究概要 |
微粒子の帯電過程についてシミュレーションを行った結果、以下のことが明らかになった。すなわち、2次電子の放出効果によってフリップ・フロップ的に負の帯電状態から正の帯電状態、あるいはその逆過程が起きる。微粒子の負の最大電荷は、多くの電子が微粒子に付着した結果、電子とイオンの付着割合がバランスして決定される。これに対し、正の最大電荷は、微粒子が正に帯電した結果、電子の付着し易さと2次電子放出のバランスすることによって決定される。背景プラズマの電子温度が十分高い場合は、当然のことながら、電子が衝突すると必ず2次電子が放出されるため、すべての微粒子は正に帯電し、また逆に低い場合は、ただ微粒子に電子が付着するだけで2次電子放出が起きないため、すべての微粒子は負に帯電することになり、フリップフロップ効果は起きない。一方、フリップフロップ効果は、微粒子が大きすぎると電荷数の増減の割に表面電位があまり変化しないため顕著ではなく、一方、微粒子が小さすぎると電子の付着確率が小さいため、起きない。従って、フリップフロップ効果を起こすための背景プラズマの適当な電子温度と、微粒子の適当な大きさが存在することが、明らかになった。ここで行ったシミュレーションでは、微粒子の大きさが10ナノメートル程度がちょうどフリップフロップ効果を起こすのに適切な大きさであった。フリップフロップ効果によって、正に帯電した微粒子と負に帯電した微粒子が同時に存在する結果、それらの微粒子は互いに引きつけあって成長していく。これらのことは、実験室プラズマで観測されている事実とよく一致する。
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