研究課題/領域番号 |
11680493
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
渡邉 國彦 核融合科学研究所, 計算機センター, 教授 (40220876)
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研究分担者 |
田村 祐一 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (50311212)
高丸 尚教 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (20241234)
石黒 静児 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (10193301)
佐藤 哲也 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 教授 (80025395)
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キーワード | ダストプラズマ / 微粒子 / シミュレーション / 帯電過程 / 凝集過程 / フリップフロップ / 秩序構造 / 自己組織化 |
研究概要 |
平成11年度までに開発したシミュレーションコードに改良を加え、2次電子の放出効果を高速電子によるものだけでなく、光電効果によるものをも考慮に入れるようにし、更に、凝集過程については、どの方向から微粒子が互いにくっついたかという凝集後の微粒子の形状の履歴を残すようにした。この改良されたコードを用いてシミュレーションを行った結果、2次電子の放出効果によってフリップ・フロップ的に負から正あるいはその逆の帯電過程が起こる微粒子の大きさなどのパラメータ領域は、高速電子によるものだけよりも大きくなることがわかった。このことは、光電効果が大きな役割を占める宇宙プラズマでは、より容易にフリップフロップ効果が、従って凝集過程が起こりうる可能性を示している。また、成長した微粒子の形状は、いくつもの球が非一様にくっついた、ブルーベリー状を示す結果が得られた。この後者の結果は、プロセスプラズマにおけるシリコンの成長実験等で得らた形状と一致し、最大成長を示す微粒子の大きさが10nmであるという昨年度までに得られた結果の一致とともに、現実のプロセスプラズマでの微粒子の成長過程の実証に成功したことを意味している。更に、外部から電磁場を与えた場合、形状の非一様性はより顕著になること、従って、微粒子がある程度大きくなると、重力場が成長していく微粒子の形状に大きな影響を与える可能性があることを示した。この結果は、来年度の本科学研究費補助金の行計画、及び、国際宇宙ステーション計画に先行して始める微少重力地上実験(九州大学との共同研究)における微粒子の成長に関するシミュレーション研究に反映する予定である。
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