本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)10J×10Hz級1053-nmNd:ガラスレーザーモジュールの熱複屈折損失を、3次元熱複屈折解析計算機コードにより計算した。本モジュールの出力が8.5J×0.5Hzのとき、熱複屈折損失は14.6%と算出できた。10J×10Hzモジュールでは、この熱複屈折損失の補償のために、45度ファラデー旋光子を用いており、良く補償されていることを確認した。(山中、古河) (2)本モジュールの出力が10J×10Hzと大きくなった場合につき熱複屈折損失をコードにより評価したところ、35%と求まった。この損失は45度ファラデー旋光子で充分補償できる見通しである。(古河) (3)本モジュールの平均出力が10J×10Hz=100Wとなると、熱複屈折補償用の45度ファラデー旋光素子中にも熱複屈折が発生する。そのために、ファラデーガラス素子を2分割し、その間に石英旋光子を配置すれば、熱複屈折が補償可能であることを確認した。(山中)
|