ヘリカル系プラズマの改善閉込めの研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11680501
• 研究機関: 核融合科学研究所
• 研究代表者: 伊藤 公孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
• 研究分担者: 藤澤 彰英 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60222262) ; 居田 克巳 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (00184599) ; 佐貫 平二 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (80109355) ; 伊藤 早苗 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70127611) ; 登田 慎一郎 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60332186)
• キーワード: ヘリカル系プラズマ / 電場界面 / 径電場 / 分岐 / 輸送障壁 / 自律振動

研究概要

昨年度までの研究によって、この研究で解明すべき理論的な問題を整理した。それに従って解析を進めた。すなわち、ヘリカル系プラズマの電場構造、特に界面の解析については、界面を取り扱うことの可能な輸送解析コードを開発した。そして電場勾配と乱流粘性がもたらす自律的構造を解析した。界面を取り扱うことの可能な輸送解析コードに乱流輸送抑制機構をとりいれたものを開発した。そしてCHS実験の電場構造を新古典理論に基づいて解析するとともに、乱流抑制の構造を解析した。粒子や熱の源を与え電場構造を(分岐も含め)解析し、理論的展望を求めた。従来理論的分析を進めてきたところであり、その結果を界面付近に拡張した。
これらの理論的結果に基づき、実験での検証を提案して来た。すでにCHS実験で電場界面に基づく輸送障壁の形成の予言が検証されたが、ドイツのW7-AS装置の実験でも輸送障壁の研究を行った。更に、今年度にはLHDの実験でも内部輸送障壁が実験的に明確に確認された。この研究の成果としての意義を強調したい。
電場界面の性質に基づき、ヘリカル系の内部界面や輸送障壁について適切なモデルを構成する道筋がついた。

研究成果

• [文献書誌] K.Itoh, et al.: "Transition of radial electric field in helical systems"J. Phys. Soc. Jpn.. Vol.70. 1575-1584 (2001)
• [文献書誌] K.Itoh, et al.: "Modelling of density limit phenomena in toroidal helical plasmas"J. Phys. Soc. Jpn.. Vol.70No.11. 3274-3284 (2001)
• [文献書誌] K.Itoh: "Magnetic structuro and transport (in Japanese), (2001)"J. Plasma and Fusion Research. Vol.77No.2. 125-129 (2001)
• [文献書誌] U.Stroth, K.Itoh, S.-I.Itoh, et al.: "Internal transport barrier triggered by neoclassical transport in W7-AS"Physical Review Letters. Vol.86, No.26. 5910-5913 (2001)
• [文献書誌] S.Toda, K.Itoh: "Theoretical Study of the structure of the electric field in helical toroidal plasmas"Czechoslovak Journal of Physics. Vol.51, No.10. 1087-1096 (2001)
• [文献書誌] S.Toda, K.Itoh: "Theoretical study of the structure of the electric field in helical toroidal plasmas by the use of an anomalous transport model"Plasma Phys. Contr. Fusion. Vol.44, No.3. 325-334 (2002)
• [文献書誌] N.Kasuya, K.Itoh, Y.Takase: "Radial electric field structure between electrodes separated by a finite distance in tokamak plasmas"J. Phys. Soc. Jpn.. Vol.71No.1. 93-98 (2002)