研究課題/領域番号 |
11680517
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥田 修一 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (00142175)
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研究分担者 |
高橋 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00273532)
加藤 龍好 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20273708)
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キーワード | コヒーレント放射光 / 電子バンチ / 電子ライナック / ミリ波光源 |
研究概要 |
短い時間幅の高エネルギー電子バンチからのコヒーレント放射は、サブミリからミリ波の領域で連続スペクトルを持ち、強力である。本研究は新しい高輝度ミリ波光源の確立を目的として行った。 産研電子ライナックの加速器室内に、コヒーレント遷移放射の発生系を設置した。光輸送路を最適化し、加速器室外に導いた。回折格子とシリコンボロメータを用いた遠赤外吸収分光測定系を構築した。加速器の動作条件は、コヒーレント放射を観測しながら最適化した。加速器条件を最適化し光源として確立した例は他にない。 光の平均強度、パルスピーク強度、スペクトル、安定性、集光特性、偏光特性などの特性を測定した。他の遠赤外光源と比較すると、ピーク出力で5桁以上、平均出力で1桁以上強い。比較的強い吸収を持つ物質の吸収分光や、特に非線型効果の研究に適した光源であることが明らかになった。 基準試料としてN_2Oガスを用いて吸収分光測定を行い、吸収スペクトルのガス圧依存性を調べた。この結果吸収分光のための光源としての基礎特性が明らかになった。吸収の強い水について吸収分光を行い、温度依存性を調べた。波長分解能1%、回折格子を用いて直接的に得られた初めてのデータである。電子ビームと放射が短時間パルスである特性を活かし、両者を同時に利用するパルスラジオリシス系を構築して予備実験を行った。この結果本計測系が確立された。 本研究で従来なかった新しい遠赤外吸収分光系が確立された。今後広範な分野で種々の物質について新しい知見が得られることが期待される。
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