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2000 年度 実績報告書

硫化鉱鉱山から排出される強硫酸酸性排水の生成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11680523
研究機関岩手大学

研究代表者

牧 陽之助  岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90048520)

研究分担者 溝田 智俊  岩手大学, 農学部, 教授 (10089930)
キーワード黒鉱 / 多金属硫化物鉱床 / 熱水性粘土鉱床 / 猟石鉱床 / 硫化物 / 硫黄同位体比 / 硫黄同位体分別 / 硫黄酸化細菌
研究概要

黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱等を産出する鉱山の強酸性の排水は,多量の重金属を含んでおり,人々の健康にも重大な影響をもたらすと懸念される.平成11年度の南西北海道と北東北地方の鉱山に続いて,平成12年度には銅・亜鉛鉱床を含む山形県の福舟(尾花沢),幸生-永松,見立,高旭,小山,吉野,南沢の7鉱山で調査を行った.いずれも黒鉱鉱床をはじめとする多金属硫化物鉱床で,硫酸酸性排水の中和処理が行われている.岡山県では,葉猟石帯である吉永地域の6鉱山(大盛・寿・共栄・兵部・富士・中石金谷)と,わが国最大の熱水性粘土鉱床である三石地域の2鉱山(元山・太平)で調査した.硫化物試料は鉱滓堆積場から鉱石を集め,排水試料は中和処理の対象となっている排水を系統ごとに採取し,pHの測定,排水中のカルシウム含量,硫酸イオンの定量を行った.硫黄同位体比は岡山大学固体地球研究センターで,定法に従い測定した.
その結果,山形県の多金属硫化物鉱床の硫黄同位体比が+5‰前後の正の値を示したのに対し,岡山県下の黄鉄鉱を伴う猟石鉱床では負の値を示し,かつ同一鉱床内でも変動が大きかった.平成11年度の結果と同様に,鉱山排水の硫黄同位体比は硫化物よりも軽い傾向が見られ,硫酸イオンが生成する過程で,δ ^<34>Sが小さくなる同位体分別が起こること示唆された.その原因として,Thiobacillus ferrooxidansなどの硫黄酸化細菌の関与が想定されたが,単離培養には成功しなかった.排水のpHは硫酸イオン濃度の増加とともに下降し,また,カルシウムイオン濃度も硫酸イオン濃度の増加とともに減少した.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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