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1999 年度 実績報告書

高分解能赤外分光計による対流圏大気化学成分の観測

研究課題

研究課題/領域番号 11680529
研究機関名古屋大学

研究代表者

たか橋 けんし  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10303596)

研究分担者 小池 真  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00225343)
キーワード対流圏 / 成層圏 / 大気化学環境 / 多成分同時観測 / 鉛直積分量 / 高分解能フーリエ変換型赤外分光計 / 季節変動 / 流跡線解析
研究概要

対流圏における大気化学環境の変化(酸性雨、地球温暖化、オキシダントや微粒子の増加など)は、人類にとって極めて重大な影響を及ぼす可能性があることは多くの研究者が指摘するところである。しかしながら、このような人間活動による大気への影響を定量的に評価するためには、長期的に多くの化学成分を観測し、その変動機構を解明することが極めて重要となる。本研究では、これまで連続的な観測が皆無であった境界層より上の自由対流圏の大気成分観測に注目し、高波長分解能のフーリエ変換型赤外分光計を使った観測を行っている。観測は、北海道の陸別および母子里の各観測所で開始された。北海道は、最近問題化している北極域成層圏オゾンの人為的破壊による影響が及んで、オゾン現象が日本ではもっとも顕著であると考えられている領域である。平成11年度を通して、CH_4、CO_2、CO、C_2H_6、HCNなどの多成分同時観測を実施し、貴重なデータを取得することができた。また、これら微量成分について、鉛直積分量(対流圏全体の総量)を導出する解析方法についても詳細に検討した。これら微量成分の季節変動の解明や、移流過程を調べるための流跡線解析も行った。その結果、例えばHCNについて、3287.25cm^<-1>付近の太陽スペクトルを非線形最小二乗法により解析することによって気柱全量を求めた。この結果、HCNは夏に最大、冬に最小となる季節変動を持つことが明らかになった。さらに、高度14Km以下と以上とを分離し、対流圏中での平均的な濃度も求めた。この結果、最小と最大の混合比が283pptvおよび191pptvであることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Koike,M(他10名、1番目): "Assessment of the uncertainties in the NO_2 and O_3 measurements by visible spectrometers"Journal of Atmospheric Chemistry. 32. 121-145 (1999)

  • [文献書誌] Koike,M(他16名、2番目): "Impact of aircraft emissions on NO_x in the lowermost stratosphere at northern midlatitudes"Geophysical Research Letters. 26. 3065-3068 (1999)

  • [文献書誌] Koike,M(他12名、2番目): "NO_y-N_2O correlation obserbed inside the Arctic vortex in February 1997:Dynamical and Chemical effects"Journal of Geophysical Research. 104. 8215-8224 (1999)

  • [文献書誌] Takahashi,K(他5名、2番目): "Determination of the heat of formation of O_3 using vacuum ultraviolet laser-induced fluorescence spectroscopy"Journal of Chemical Physics. 111. 6350-6355 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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