研究概要 |
1.マイクロ風速センサーを用いたエアロダイナミックス法:北京市の比較的狭い(フェッチが短い)地域でマイクロ風速センサーを用いた地表面直上まで風速および風温度の測定おこない乱流拡散係数を求めた。乱流輸送係数は大きな日値変動を示した。乱流拡散係数の測定と同時にSO2の鉛直4高度の測定を行うことによりSO2の沈着流束を求めた。 2.マイクロ化学センサーを用いた鉛直濃度分布の測定:マイクロセンサーを用いた観測を長野県・大芝高原で行った(10月,8月)。センサーを用いた測定項目はNOxセンサーによる地表面直上での鉛直濃度分布の測定、および温度、湿度の鉛直分布の測定である。エアロダイナミックスが比較的安定している(定常)と考えられる林内で観測をおこなったが、現象は予想より複雑であった。地表から11mまで8点で高感度センサーにより20分間隔で測定を行ったがその鉛直分布の経時変化は極めて複雑であった。昨年の観測結果を踏まえたマイクロセンサーの調整および新規開発を行った。具体的には以下の2点である。環境測定に相応しい濃度域のマイクロオゾンセンサーの製作(メーカとの協議により0-1000ppbの測定範囲を0-200ppbに狭める);観測に使用しているNOxと同様の原理による新規オキシダント測定センサーの開発。 3.論文発表:この研究で新規に得られた方法論を用い、これまで不可能であると考えられてきた実大気環境でのエアロゾルの地表面への沈着流束を過去の観測結果の再検討することにより求め、その結果を論文として公表した。
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