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1999 年度 実績報告書

臓器に生じた放射線誘発突然変異の発生頻度の経時変化とその臓器特異性についての解析

研究課題

研究課題/領域番号 11680561
研究機関産業医科大学

研究代表者

大津山 彰  産業医科大学, 医学部, 助教授 (10194218)

研究分担者 法村 俊之  産業医科大学, 医学部, 教授 (20039530)
キーワード放射線誘発突然変異 / ガンマ線 / 臓器特異性 / New HITECマウス / トランスジェニックマウス / 経時変化
研究概要

12週齢のNew HITECオス・メスマウスに^<137>Csγ線(1.1Gy/min)5Gyを全身照射し、照射後30、60、120、180日目(各群5匹)に突然変異検出臓器(脳、肝臓、脾臓、精巣)を摘出し凍結保存した。本突然変異検出アッセイで、突然変異頻度は非照射群で10^<-5>台となった。脳では対照群と比べて、オス・メスともに30日目と60日目の突然変異頻度が高くなる傾向があった。肝臓では、オスの180日目で増加の傾向があった。脾臓では、オス、メスともに、対照群の突然変異頻度が高い傾向にあった。精巣では、対照群の突然変異頻度と比べ全〓の実験群で上昇はなかった。
12週齢のp53ノックアウトNew HITECマウスも同様の照射を行ない、照射後30、60日目(各群2匹)に突然変異検出臓器(脳、胸腺、肝臓、脾臓、精巣)を摘出し凍結保存した。実験用個体作出が胚操作では全く得られず自然交配のみに頼ることとなり、かつ繁殖成績が極めて悪かったので、本年度は各群2匹で照射後30、60日までの観察となった。オスの肝臓で全群を通じて突然変異頻度が高い傾向があったが、p53欠損により突然変異の蓄積が増幅されるような傾向はなかった。
本年度の結果では、New HITECならびにp53ノックアウトNew HITECマウスどちらの照射群でも、経時的、また臓器別の突然変異頻度の大きな変化はなかった。このことは、アッセイ法に改善すべき点があることを示唆している。また、突然変異頻度にかなり個体差があり、各群の個体数を増やすことが必要であろう。今回はガンマ線5Gy1回照射で、通常マウスでは長期的に全身症状を示さない照射条件であり、明瞭な突然変異頻度の上昇がなかった可能性もある。今後は積極的に変異頻度を上げる照射条件で、これらのマウスで固有のがん発生と突然変異との関係を見る方向で実験を進める。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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