グリッドシティーモデルに基づくごみ収集システムのシミュレーションにより (1)ごみの収集ステーション間距離を50m前後に設定すると、収集効率が最大になり、収集による環境負荷が最小になる、 (2)収集車の速度が大きいほど収集効率は大きく、環境負荷が小さくなる、 (3)ごみ収集地域の面積が小さいほど収集効率は向上し、環境負荷は小さくなる、 (4)環境負荷の推定は平均車速を用いると良好な結果が得られるが、燃費を使用するときには、通常の輸送のときの5km/Lではなく、1.6〜1.8km/L程度の値を使用する必要がある、 (5)ごみ収集車からのCOおよびTHCの発生係数はともに0.1g/Lである、 (6)1トンのごみを収集することにより、大気汚染物質(環境負荷指数換算)が20〜30g、二酸化炭素が5〜6ton発生する、 ことなどが明らかになった. 広告紙の加熱減量、NC、蛍光X線、およびICP発光分光分析により (1)広告紙の加熱減量は約70%と通常の紙類と比べるとかなり小さい、 (2)広告紙1トンの焼却処理により1.3トンの二酸化炭素と2.6kgのフュエルNO_xが発生する、 (3)残渣はコーティング剤のために多量のアルミニウム、カルシウム、ケイ素が含まれており、マンガン、クロムといった環境負荷の大きい重金属類も痕跡量(0.004・0.006%)程度含まれている、ことなどが明らかになった. 本研究の結果は、古紙パルプ1トンの製造による二酸化炭素発生量が0.4トン程度であることを考慮すると、K市の古紙リサイクルプログラムでは輸送プロセスに起因する環境負荷が全体の中で最も大きな部分を占めることを示す.
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