研究課題/領域番号 |
11680574
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
村本 茂樹 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (50033121)
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研究分担者 |
岡村 秀雄 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90253020)
中島 進 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60033122)
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キーワード | 環境ホルモン汚濁水 / 界面活性剤 / 農薬 / 植物活用 / バイオレメディエーション / バイオプリベンション |
研究概要 |
界面活性剤はじめ各種農薬を含む約70種類の化学物質が環境ホルモン物質として指摘されているが、その作用性やそのメカニズム、あるいは発現症状についても未知の部分が多い。環境ホルモン様物質そのものについても、その特定と確認の緒についたばかりの現状にあるといえるが、これらに由来する汚濁水の環境修復に有用な植物の検索とその活用法を探るべく、フィールド調査および実験室、ファイトトロンにおける基礎研究を進めている。環境ホルモン様物質のスクリーニングはEIA(酵素免疫法)を用いて行い、HPLC-MS、GC-MS等を用いて基礎検討を行っている。本年はまだ見るべき結論は得られていないが、数種類の植物体の選抜実験により界面活性剤、農薬等の吸収能、抵抗性等の基礎データーを得つつある。またアルミニウムやカドミウム、ニッケルなどの金属の共存下においても界面活性剤の収奪能力の大きい植物(シュロガヤツリ)を確認した(S.Muramoto et al,Bull.Environ.Contam.Toxicol.2000.64:122-129)。同時に数種の植物幼苗における影響および吸収についても実験を行っており、汚濁水から清浄水などの環境変化に対する影響も検討中である。また、これらの光分解物質に対する毒性変化の検討から、現在除草剤のIrgarolの等が新化学物質よりもやや毒性を増大する傾向にあることが酵母を用いた毒性試験で明らかになりつつある。沿岸水中濃度と同程度でも藻類増殖にも毒性を生じる結果も得ている。まだ特別の植物体は限定されていないが、いくつかの特性による植物種の選抜に取り組んでおり、汚濁環境水中における環境ホルモン様物質の植物への影響並びに収奪能の活用の可能性を明らかにし、水、植物、魚類を含む小生態系内のこれらの動態と影響を今後明らかにする予定である。さらにこれらの植物の後利用として、製紙原料などへの活用についても多種の繊維作物との配合による方法等も検討中である。
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