発光性渦鞭毛藻(Gonyaulax polyedra;Gp):はクロロフィル誘導体のルシフェリンとルシフェラーゼ(単純蛋白質)による生物発光と光合成が生物時計に支配された概日リズムを示すユニークな藻類である。本研究では「渦鞭毛藻類における光合成に連関する生物発光の分子制御機構の解明」を主目的とし、今年度は12時間昼夜コントロール下で培養したGpの細胞内タンパクを二次元電気泳動法によりマッピング、タンパクレベルの概日変動を解析した。具体的には、Gpを一定温度、昼夜コントロ一ル下で培養3時間間隔に収穫した。収穫後Gpを粉砕、細胞内の水溶性タンパクを水抽出、遠心しサンプルとした。水抽出タンパクはpI7〜9で等電点電気泳動を行った後、12.5%SDSポリアクリルアミド電気泳動を行い、タンパクマッピング、電気泳動像を画像解析装置にて読みとり、蛋白質量の変化を解析した。その結果、明期特異的タンパク、暗期特異的タンパクや光消失に一過性に発現するタンパクが検出できた。今後、これらタンパクの生理的な役割を明らかにしたり、また、特定の光合成関連タンパクの変動などを解析する予定である。
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