研究課題/領域番号 |
11680607
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
唐渡 孝枝 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (60108876)
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研究分担者 |
井上 雅広 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (00232562)
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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キーワード | カテプシンJ / カテプシンC / リソゾーム / ハイマンノース型 / コンプレックス型 / プロペプチド |
研究概要 |
Cathepsin J(C)は細胞障害性及び骨髄性細胞に高いレベルで発現し、これらの細胞の顆粒内に局在するSerine proteaseの活性化に関与していることから、この研究はCahtepsin J(C)の糖鎖構造を解析してその機能相関を解明することを目的としている。平成11年度の研究で、Cathepsin J(C)のPro鎖に3ヶ所、成熟酵素に1ヶ所結合しているAsn結合型糖鎖のうち、Pro鎖のそれは主にハイマンノース型で成熟酵素のそれはコンプレックス型であることを明らかにした。そこでピリジルアミノ(PA)化法とHPLCシステムによる順相及び逆相カラムクロマトグラフィーによってこれらの糖鎖の詳細な糖鎖構造の解析を行った。まず順相カラムで、アシアロ、モノシアロ、ジシアロ画分を分離し、それらについてシアリダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-N-アセテルへキソサミニダーゼ消化をおこない順相および逆相カラムクロマトグラフィーでの溶出パターンと既知糖鎖のそれとの比較によって解析を行った。精製Cathepsin J(C)の糖鎖は約40%がマンノース4〜7ヶのハイマンノース型糖鎖でシアル酸まで揃った2本鎖のコンプレックス型は13%でこのほとんどはリソゾーム酵素によって部分的に分解されたものである。約7%を占めるマンノース3ヶから成る糖鎖はリソゾームのマンノシダーゼの基質特異性から、コンプレックス型由来とみなされる。そしてハイプリット型糖鎖も若干認められた。以上の結果から、Cathepsin J(C)はPro鎖が内側に成熟酵素の重鎖が外側に向くような形でオリゴマー構造を保って、Pro鎖の糖鎖は重鎖の糖鎖にくらべてリソゾーム酵素にさらされにくい状態であることをしめしている。
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