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1999 年度 実績報告書

細胞内小器官ペルオキシソームの生合成および発現制御におけるPex1pの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 11680608
研究機関九州大学

研究代表者

田村 茂彦  九州大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90236753)

研究分担者 藤木 幸夫  九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70261237)
キーワードペルオキシソーム / ペルオキシソーム欠損症 / ペルオキシソーム形成因子 / CHO変異細胞 / 変異部位解析
研究概要

ヒトのペルオキシソーム欠損症におけるE群の相補遺伝子としてPEX1を既に単離しているが、E群患者由来の線維芽細胞について系統的な変異部位解析と、これらの変異がPex1pの機能にどのような影響を与えているか検討した。比較的軽症型の乳児型Refsum病患者由来の線維芽細胞ではPEX1の843番目のGlyがAspに置換した変異がホモまたはヘテロで存在していた。これは30度でペルオキシソーム形成が回復するという温度感受性の原因となっている変異であり、Pex1pの発現量または安定性に起因していることを明らかにした。またZellweger症候群患者由来の細胞から同定され、ヘテロで存在していたL664Pおよび634del690変異は、Pex1pと同じくAAAタンパク質であるPex6pとの結合能を著しく低下させていることも明らかにした。つまりこれらの変異近傍のATP結合モチーフを含んだ領域はPex6pとの結合に重要な役割を果たしていることを示唆していた。そこでPex1pの機能を温度で制御し、さらにPex6pとの協調的な機能に注目することでPex1pの機能解析が可能と考えた。温度感受性を示す線維芽細胞を用いてPex1pの機能を回復させ、ペルオキシソーム形成における細胞内の変化を生化学的に解析した。するとPex1pが機能を失った状態では、ペルオキシソーム膜蛋白質は存在するが、これまでに知られていない低密度の膜画分が存在すること、そしてPex1pの機能が回復してからは正常なペルオキシソームが生合成されることを示唆する結果が得られた。以上のように、PEX1の変異部位解析から機能との相関を明らかにし、Pex1pがペルオキシソーム膜の生合成に関与している可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ghaedi,K.: "Newly identified Chinese hamster ovary cell mutants defective in peroxisome assembly represent complementation group A of human peroxisome biogenesis disorders and one novel group in mammals"Exp.Cell Res.. 248. 482-488 (1999)

  • [文献書誌] Chaedi,K.: "Isolation and characterization of novel peroxisome biogenesis-defective Chinese hamster ovary cell mutants using green fluorescent protein"Exp.Cell Res.. 248. 489-497 (1999)

  • [文献書誌] Shimizu,N.: "The Peroxin Pex14p : cDNA cloning by functional complementation on a Chinese hamster ovary cell mutant, characterization, and functional analysis"J.Biol.Chem.. 274. 12593-12604 (1999)

  • [文献書誌] Toyama,R.: "Isolation, characterization, and mutation analysis of PEX13-defective Chinese hamster ovary cell mutants"Hum.Mol.Genet.. 8. 1673-1681 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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