研究課題/領域番号 |
11680614
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
笠井 献一 帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)
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研究分担者 |
荒田 洋一郎 帝京大学, 薬学部, 助手 (90246017)
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 講師 (40156691)
志村 清仁 帝京大学, 薬学部, 助教授 (30130008)
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キーワード | ガレクチン / 糖鎖シグナル / 特異的相互作用 / 多価相互作用 |
研究概要 |
今日知られているほとんんどのレクチンは多価の糖鎖結合分子として働いている。そこに生体制御タンパク質としてのレクチンの重要な存在意義があると考えられるので、それを解明することを目的として、動物の代表的レクチンであるガレクチンを主たる対象として研究を行った。このような目的に適した研究手段が必須であるので、まずフロンタルアフィニティークロマトグラフィー法を強化して、簡便、迅速、高感度、高精度にレクチンの糖鎖との相互作用を解析できるシステムを作り上げた。これを利用することによって、種々の生物由来のガレクチン、あるいは部位特異的突然変異導入ガレクチン等について、多種類のオリゴ糖鎖との結合力、特異性を系統的に調べることが可能になった。ガレクチンのうちでも、われわれが発見した線虫C.Elegansの32-kDaガレクチンは、1分子内に2つの相同的な糖結合部位を持つという特徴を持つ。それでそれそれ片方の部位のみを含む半分子を遺伝子工学的に調製して糖結合特性を比較検討した。N末端側の半分子に較べC末端側の半分子の方が、一般にラクトース型糖鎖に対する結合力が強かったが、I型のA型糖鎖に対してはN末端側半分子が著しく強い結合力を示し、C末端側半分子はほとんど結合力を持たなかった。2つの結合部位間の明白な結合特性の差異の発見は画期的であり、われわれが従来より提唱していたヘテロ2価性架橋分子の概念を強く支持するものである。他の種々のガレクチンの糖結合特性についても、現在、効率的に興味深いデータを集積しつつある。
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