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2000 年度 実績報告書

ナトリウムポンプのサブユニット間相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11680620
研究機関北海道大学

研究代表者

嘉屋 俊二  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)

キーワードナトリウムポンプ / 蛍光プローブ
研究概要

平成12年度の研究実績
1.ナトリウムポンプ分子の種々のリガンド結合量の測定
ナトリウムポンプ標品におけるリン酸化反応中間体(EP)の生成量とATPの結合量の測定を定常状態にて検討した。その結果、
(1)MgCl_2存在下、酵素へのATPの結合は[α^<-32>P]ATPを用いるとα鎖1mol当たり0.52mol検出された。一方、[γ^<-32>P]ATPの場合、1.1molの結合が検出された。[γ^<-32>P]ATPを用いた酸安定なEPの蓄積量はα鎖1mol当たり0.5molであることから、EPを形成していない触媒サブユニットは反応サイクル中ATPを結合していることが明らかになった。
(2)ATPの結合におけるATP濃度依存性からリン酸化中間体の生成に必要な濃度は数μM程度であるのに対し、リン酸化中間体を生成しないサブユニットへのATPの結合は数十μM以上を必要とする。また、このATPの結合は生成しているリン酸化酵素の性質に依存しない。さらにカリウムイオン存在下でも50%のサブユニットにはATPの結合がみられることから、反応サイクルの全ての状態でATP分子が酵素に結合していることが明らかになった。
2.リン酸化酵素中間体形成とルビジウムイオンの閉塞の速度論的解析
リン酸化反応中間体経由で閉塞されるルビジウムイオンの結合に関して、前定常状態における速度論解析を行った。その結果、
(1)ATPとルビジウムイオンを同時に酵素標品に添加すると、極めて速いリン酸化中間体が起こり、引き続き脱リン酸化が進行する。ルビジウムイオンの酵素への閉塞の速度定数は脱リン酸化と区別がつかなかった。
(2)プローブ標識した酵素標品(BIPMおよびRH-421)におけるルビジウムイオンに依存的な蛍光変化の減少の速度定数もイオンの閉塞の定数と差がないことが明かになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Kanagawa: "Membrane enzyme systems responsible for the Ca^<2+>-dependent phosphorylation of Ser27, the independent phosphorylation of Tyr^<10> and Tyr^7, and the dephosphorylation of these phosphorylated residuse in the α-chain of H/K-ATPase."Journal of the Biochemistry. 127. 821-828 (2000)

  • [文献書誌] K.Taniguchi: "Na/K-ATPase and Related ATPases"Elsevier, Amsterdam. 4 (2000)

  • [文献書誌] T.Yokoyama: "Na/K-ATPase and Related ATPases"Elsevier, Amsterdam. 4 (2000)

  • [文献書誌] K.Taniguchi: "Na/K-ATPase and Related ATPases"Elsevier, Amsterdam. 8 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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