研究課題/領域番号 |
11680623
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木村 定雄 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40134225)
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研究分担者 |
諸井 佳代子 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80110352)
西山 真理子 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00092081)
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キーワード | G蛋白質共役受容体キナーゼ / エンドセリン / RGS / G蛋白質 |
研究概要 |
G蛋白質共役受容体キナーゼ(GRK)2がG蛋白質共役受容体のリン酸化を介してG蛋白質シグナルの脱感作に寄与していることは、これまで多数報告されている。我々は以前にGRK2及びキナーゼ活性のないGRK2(GRK2-K220W)が、エンドセリンB(ETB)受容体のリン酸化を介さずにエンドセリン-1(ET-1)刺激によるIP3産生を抑制することを報告した。本年度はこのGqシグナルの抑制機序を解明するために、GRK2のアミノ末端部のRGS様ドメインの機能を検討した。 1.種々のGRK2変異体を発現する細胞内Ca濃度の測定 GRK2だけでなく、キナーゼ活性のないGRK2-K220WでもAngIIあるいはET-1刺激による細胞内Ca応答の抑制が強く見られた。さらにキナーゼドメインを含まないN末端GRK2(1-181)やRGSドメイン部GRK2(54-174)でもGRK2と同等の強いCa応答の抑制が認められた。 2.GRK2、GRK2(1-181)とG蛋白質αサブユニットの結合解析 GRK2とGRK2(1-181)は共に選択的にGqサブユニットと結合し、Gi/oやGsとは結合しなかった。その結合はGDP・AlF4-存在下でのみ観察され、G蛋白質αのGDP/GTP遷移状態で結合することが判明した。 3.GqサブユニットとGRK2変異体との結合解析 GqサブユニットはRGSドメインを含むGRK2、GRK(1-181)、GRK2(54-174)と結合し、RGSドメイン破壊変異体GRK2(1-80)、GRK2(1-63)、C末端部PHドメイン含有変異体GRK2(505-689)とは結合しなかった。 以上の結果、GRK2は、G蛋白質共役受容体のリン酸化を介するG蛋白質シグナルの負の調節機構に加えて、アミノ末端部RGSドメインによるリン酸化に依存しないGqシグナル抑制機構を持つことを明らかにした。
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