研究概要 |
本研究は、心血管系に多く発現しているRGS5に注目し、血管作動性ペプチドであるアンジオテンシンやエンドセリン刺激後の受容体シグナルがいかに調節されるかを解析した(Life Sciences,68:1457-1469,2001)。その結果、(1)RGS5は特定のG蛋白質αサブユニット(Gαi1、Gαi2、Gαi3、Gαo、Gαq)と結合したが、Gαs、Gα13とは結合しなかった(特定分子と結合-特定シグナルの抑制)。(2)RGS5は、Gαi3のGTPase活性を増強する活性を示し、Gα活性型(GTP型)をすぐにGα不活性型(GDP型)にすることにより、受容体シグナルを抑制することを明らかにした(抑制機序)。(3)次に血管に存在するアンジオテンシン1a受容体(AT1a)およびエンドセリンA受容体(ETA)について、そのシグナル抑制をRGS5蛋白質を強制発現した細胞を用いて定量的に検討したところ、RGS5の発現量に応じて、細胞内Ca上昇シグナルが著しく抑制されることを明らかにした(受容体選択性)。
|