種々のサイトカインは、その蛋白分子の獲得に端を発し、サイトカインの機能の解明に向けて多大な研究がなされ、研究はレセプターから核へ向かうシグナル伝達の解析へと進んだ。近年、サイトカインレセプターに会合するチロシンキナーゼとしてJakファミリーキナーゼの存在が明らかにされると、さらに、このJakファミリーキナーゼの主要な基質蛋白としてSTAT蛋白が同定された。申請者はサイトカインシグナル伝達系のJakファミリーキナーゼの制御に重要なJakファミリーキナーゼインヒビターであるSOCS-1とJakファミリーキナーゼとの結合部位も同定した。申請者はさらにJakファミリーキナーゼに対する新たな制御蛋白の同定を重要と考え、発現量が非常に少ない活性型Jak蛋白を昆虫細胞に多量発現させることにより得られた活性型Jak蛋白をプローブとして新規蛋白の同定を試みる。今年度、Jak蛋白に対するバキュロウイルスを調整し、昆虫細胞であるSf9細胞に感染をさせ活性型リコンビナントJak蛋白を作製した。現在、この活性型Jakリコンビナント蛋白を現有設備である高速液体クロマトグラフィー等を用いて精製し、精製蛋白を用いて種々の細胞中のJak結合蛋白を検索を進めている。また、サイトカインのシグナル伝達系の再構築系を用いることにより、より詳細なサイトカインシグナル伝達系機構の解析を進め、論文投稿準備中である。
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