研究課題/領域番号 |
11680645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
片桐 達雄 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (00233742)
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研究分担者 |
矢倉 英隆 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (60166486)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | CD45 / B細胞抗原受容体シグナル / Src-family PTK / Lyn / Fyn / チロシン脱リン酸化酵素(PTP) / チロシンリン酸化酵素(PTK) / raft |
研究概要 |
CD45は、免疫系細胞に特徴的に認められる膜型チロシン脱リン酸化酵素でる。本研究は我々が樹立したCD45欠失クローンと親細胞株との比較解析により、CD45の本来の役割を解析した。この結果、CD45はB細胞抗原受容体複合体(BCR)中に存在する特定のsrc-family PTKを基質として、その酵素活性をネガティブに制御することを明らかにした。(発表論文:J Immunol 163:1321-1326)。興味深いことに、最近、我々の結果がより合理的な理解となる報告が蓄積しつつあり、CD45とsrc-family PTKの関係が急展開を見せている。 さらに、我々はCD45が下流シグナルであるmitogen-activated protein kinase(MAPK)familyの活性制御にも重要な役割を担うことを発見した。すなわち、CD45は主にJNKとp38の活性を制御しており、その制御はB細胞の分化段階によって異なっていた(発表論文:FEBS Lett 490:97-101)。また、CD40シグナルについてもCD45が重要な役割を持つこと、そして、その制御は主に成熟B細胞株(BAL-17)において顕著であること等を明らかにした(発表論文:J.B.C.276:8550-8556)。 現在、上記の結果を基盤としてCD45の関与する初期シグナルの解析を行っている。これは、リンパ球抗原受容体複合体分子群が細胞膜上で構成脂質依存性の会合分子集団(Raft)を形成していることに基づくものである。我々は予備実験においてBCRの主要なシグナル分子が刺激により、Raftへ集積すること、さらに、CD45のRaftからの解離がシグナル伝達に同調することを示唆する結果を得ている(投稿準備中)。 以上のように本研究によってCD45によるシグナル制御のメカニズムの理解が大いに進展した。また、現在進展しつつある。
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