研究課題/領域番号 |
11680649
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
浅野 富子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 室長 (70100154)
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研究分担者 |
森下 理香 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手
上田 浩 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (50253779)
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キーワード | G蛋白質 / γサブユニット / プロテインキナーゼC / ストレスファイバー / 細胞走化性 / リン酸化 / 神経上皮細胞 |
研究概要 |
G蛋白質各種γサブユニット間の機能的差異を検討するため、NIH3T3細胞にβ1と各種γサブユニットを共発現すると、γ12を発現したときのみ細胞が丸くなり、ストレスファイバーの消失、細胞走化性の増強が見られた。γ12はγサブユニットの中で唯一プロテインキナーゼCによってリン酸化を受けるサブタイプなので、リン酸化部位の変異体を導入して細胞の変化を調べた。その結果、γ12による変化はリン酸化によるものであることが判明し、γ12のリン酸化がシグナル伝達に関与していることを示唆した。一方、上皮系のHeLa細胞に各種βγを導入すると、線維芽細胞と異なりどのサブタイプのγでもストレスファイバーと接着斑の構築が起こった。この反応はRhoの機能を阻害するC3 exoenzymeによって阻止されることからRho経由で起こっていることが判明し、βγからRhoへの経路があるものと考えられる。 ウシ肺よりSDS-PAGE上でβ1やβ2とは易動度の異なるβを精製し、部分アミノ酸配列および特異抗体によりβ4と同定した。免疫沈降や精製βγの解析から、β4はγ5およびγ12と選択的に結合していることが判明した。 ラットの脳の発達に伴いほとんどのG蛋白質の各サブユニットは増加するかほぼ一定の濃度を保っているが、γ5だけは胎生期12-14日頃高い濃度で存在し、生まれる頃までに徐々に減少し、成獣では低い濃度を示した。免疫組織化学的検索で、γ5は神経上皮細胞に選択的に局在することが分かり、神経細胞新生に関与していると考えられる。
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