研究課題/領域番号 |
11680659
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植田 淳子 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90252634)
|
研究分担者 |
葛西 道生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40022595)
|
キーワード | 神経突起伸長因子 / 初代解離培養系 / 除神経 / coiled-coil / caspase / golgi体 / 小胞体 / COS-7細胞 |
研究概要 |
坐骨神経を切断したニワトリ脚筋抽出液由来の神経突起伸長因子 neurocrescin、MDP77(muscle derived protein of molecular mass 77k)、MDP62について解析した。これらの大腸菌発現蛋白質は、いずれもニワトリ胚脊髄、終脳の初代解離培養系において、濃度依存的な突起伸長活性を示し、アミノ酸配列としては、シグナル配列がなく、親水性残基に富み、leucime zipperと広範なcoiled-coil構造を形成しうるという共通した特徴を有していた。NeurocrescinはCOS-7細胞で発現されると、分子内のDESD^<358↓>Fで切断された断片が培養上清中に検出でき、さらに、切断部位のアミノ酸変異とcaspase-3を用いたin vitro切断により、この切断はcaspase-3とは異なるcaspase様の酵素によることがわかった。Pulse/chase法による解析では、細胞内に取り込まれた放射活性のうち、28.7%が培養上清へ移行し、免疫組織化学解析では膜近傍に局在する事からも、細胞外へ分泌される可能性が認められた。MDP77は、golgi体とmembrane ruffling領域に局在し、細胞骨格系への関与が示唆された。MDP62は、小胞体に局在し、COS-7細胞におけるpulse/chase法による解析から13.9%が培養上清に移行していた。 また、坐骨神経を切断して4日後のニワトリ下腿部脚筋と正常脚筋を用い、Suppression Subtractive Hybridization法を行った。得られた候補クロ-ンをNorthern blot法により検定し、その部位塩基配列を解析した結果、除神経後に顕著に発現量が増加する新規遺伝子を5クローン単離できた。
|