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1999 年度 実績報告書

熱ショック転写因子群の機能と制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11680676
研究機関京都大学

研究代表者

中井 彰  京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (60252516)

キーワード熱ショック蛋白質 / ストレス応答 / 熱ショック遺伝子 / 転写
研究概要

申請者らは、熱ショック反応の分子機構を明らかにすることを目的としている。本研究では、鳥類において熱ショックによって活性化をうけるHSF1とHSF3の役割分担を分子遺伝学的方法を用いて解析を行った。ニワトリBリンパ球系細胞株DT40にいてHSF1遺伝子破壊、HSF3遺伝子破壊、そして両方の遺伝子破壊のなされた細胞株を樹立した。それらの熱ショック遺伝子の発現を調べたところ、両遺伝子破壊細胞でのみターゲット遺伝子、とくにHsp90aの発現の著しい低下が認められた。また、両遺伝子破壊細胞では熱ショック応答は全く認められなかった。HSF3欠損細胞はこの応答の顕著な現象をみとめたが、一方、HSF1欠損細胞の熱ショック応答は親株に比べてわずかの減弱しか認められなかった。以上の結果は、鳥類においては熱ショック遺伝子の構成的発現はHSF1とHSF3が独立して制御していることを示している。また、熱ショック応答は主にHSF3が制御しており、HSF1の関与はわずかであることが明かとなった。本研究で、脊椎動物におけるHSFシステムがターゲット遺伝子の発現を構成的に制御していることが初めて明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A.Nakai: "New aspects in the vertebrate heat shock factor system;Hsf3 and Hsf4"Cell Stress Chaperones. 4. 86-93 (1999)

  • [文献書誌] J.Nishizawa: "Reactive oxygen species play an important role in the activation of heat shock factor 1 in ischemia-reperfused heart"Circulation. 99. 934-941 (1999)

  • [文献書誌] Y.Kawazoe: "Ubiquitous and cell-specific members of the avian small heat shock protein family"FEBS Letter. 455. 271-275 (1999)

  • [文献書誌] Y.Kawazoe: "HSF3 is a major heat shock responsive factor during chicken embryonic development"Eur.J.Biochem.. 265. 688-697 (1999)

  • [文献書誌] M.Tanabe: "The mammalian HSF4 gene generate both an activator and a repressor of heat shock genes by alternative splicing"J.Biol.Chem.. 274. 27845-27856 (1999)

  • [文献書誌] A.Nakai: "Arrest of spermatogenesis in mice expressing an active heat shock transcription factor 1"EMBO.J.. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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