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1999 年度 実績報告書

アポトーシスにおける細胞形態の動的変化(アクティブブレビング)に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11680677
研究機関大阪大学

研究代表者

恵口 豊  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20243206)

キーワードアポトーシス / カスバーゼ / アクチン
研究概要

アポトーシスは、細胞の収縮やメンブレンブレビングに代表される特徴的な変化を引き起こす。この形態変化に関与していると考えられる分子は今までにいくつか報告されているが、形態変化のメカニズムについては不明な点が多い。本研究では、アポトーシス時におけるアクチン細胞骨格系の動きに注目し細胞形態の変化を詳細に観察することで、アクチン細胞骨格系の再構成が細胞の形態変化を引き起こしている可能性について検証することを目的とした。
EGFPラベルしたアクチンを遺伝子導入によりHeLaFD5細胞へ発現し、抗Fas抗体によってアポトーシスを誘導し連続写真撮影を試みたところ、刺激後60-80分で細胞の基底部でアクチンの環状構造が形成され、それに伴い細胞が収縮することが分かった。ブレブはこのアクチン環状構造を足場にして形成されると考えられ、またアクトミオシン系依存的に運動した。この時見られた細胞の形態変化とアクチン環状構造形成はサイトカラシンDを用いてアクチン細胞骨格を破壊した時には見られなかった。またアクチンの重合・脱重合に作用するいくつかの薬剤を作用させた実験により、アクチン環状構造の形成には重合・脱重合やアクトミオシン系によらない因子の関与が示唆され、ブレブ形成にはアクチンの重合・脱重合が必要であることが示された。
以上のことから、アポトーシス時にはアクチン環状構造が形成されアクチンの重合・脱重合を介して細胞の形態変化を引き起こし、アクトミオシン系によりブレブが活発に運動していることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yutaka Eguchi: "ATP-dependent steps in apoptotic signal transduction"Cancer Res.. 59. 2174-2181 (1999)

  • [文献書誌] Setsuko Sahara: "Acinus is a caspase-3-activated protein required for apoptotic chromatin"Nature. 401. 168-173 (1999)

  • [文献書誌] Ken-ichi Sato: "Regions essential for the interaction between Bcl-2 and SMN,the spinal muscular atrophy disease gene product"Cell Death Differentiation. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 恵口 豊: "アポトーシス研究における最近の話題"BIO INDUSTRY. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 恵口 豊: "「新アポトーシス実験法」(部分執筆)"辻本賀英、刀袮重信、山田武編、実験医学別冊、羊土社. 307 (1999)

  • [文献書誌] 恵口 豊: "アポトーシスと疾患<中枢神経系疾患>」(部分執筆)"水野美邦編、医薬ジャーナル社 (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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