生細胞におけるアネキシンのダイナミクスの解析 フィザルス・アネキシンは膜融合活性を持つ。アネキシン・ファミリーの中にはクロマフィン顆粒などのエスソサイトーシスに関与するものもある。今年度は生細胞を用いてアネキシン小胞の機能解析を行った。アネキシンはすでにクローニング済みでありリコンビナント蛋白を容易に得ることができた。それを蛍光して生細胞内に顕微注射で導入した。蛍光抗体法の結果とあわせて次のような知見を得た。 (1)アネキシンは細胞膜損傷部位に濃縮していた。細胞膜は顕微操作によって人為的に損傷した。 (2)切断面には球状の微小な突起物が形成される。突起物は仮足に見られるような顆粒のない透明層であった。アネキシンはそのような部位に非常に多く濃縮していた。(3)他の方法(紫外線照射、引きちぎり)によって細胞膜を損傷したときにも同様の結果を得た。(4)細胞膜損傷部位へのアネキシンの濃縮は細胞膜が修復した後にも数秒のオーダーで起こった。 MicroCALI 一方本研究の目玉であるmicroCALI法(Chromophore-assisted Laser Inactivation)のセットアップが順調に進行した。現在(株)ルミネックスと(株)オリンパス光学の協力を得て、立ち上げ中である。組み合わせる顕微鏡はオリンパス社製高性能万能顕微鏡AX-70である。Photometrics社製超高感度・高解像度冷却CCDカメラの制御が可能なコンピュータ制御顕微鏡装置を完成している。
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